時間は、太陽の周りをまわる地球の公転、それによってめぐりゆく季節、月の満ち欠け、昼夜の繰り返しといった天文学的現象によって、自然に分割されています。
ごく短い単位で時間を測定するために、人類は日時計や水時計(水の流れを測定するクロックの一種)など、人工的な手法を開発しました。しかし1657年以降は、機械式ムーブメントの振動システムを使用することによって、さらに効率よく時間測定という目的を達成できるようになっています。
エレクトロニクス革命は、こうしたプロセスにおいて決定的な影響を及ぼしました。1967年、スイスの研究グループが初の電子腕時計ムーブメント(クオーツムーブメントという名称でより一般的に知られている)を設計、開発したのです。この技術はバッテリから得る電気エネルギーを使用したもので、ダイオードや、その後に続く液晶ディスプレイの誕生への道を切り開くことにもなりました。
クオーツ時計は振動数が高い(32 kHz)ため、極めて正確です。その誤差(時計が進んだり、遅れたりすること)は、一日あたり1秒未満です。
これと比較して、機械式時計で最も一般的に用いられるオシレーションの振動数は、ほぼ3~4 Hz程度で、一日あたりの誤差は10秒未満です。